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サウジアラビアにとってのイラン核合意とイエメン空爆の不可分な関係

イランに打撃を与えるためのイエメン空爆

〔イラン核合意に対する〕サウジアラビアの不安や苛立ちと不可分な関係にあるのが、内戦状態に陥っている隣国イエメンの情勢である。サウジアラビアは、イエメンのハーディ政権と敵対する「フーシー」の背後にイランの支援があると信じ、フーシーを倒すことでイランに打撃を与えられると考えた。3月26日には湾岸諸国などとの連合軍を主導し、フーシー掃討のための空爆を開始した。戦闘機189機を投入して臨んだ「決意の嵐」作戦において、アメリカ抜きでイニシアチブをとることができた。だが、直後に、「引き際」に悩まされることになる。5月には5日間の人道的停戦に応じたものの、その後の停戦の目処を立てられずにいるのである。6月12日には、世界遺産でもあるサナアの旧市街が空爆で破壊された。7月7日の国連人道問題調整事務所(OCHA)の発表では、戦闘員を含む3260人が犠牲になったとされる。

フーシーとは、イエメン北部を中心に活動するシーア派の一派ザイド派信徒の部族武装組織である。彼らはたしかにシーア派であるし、イラン の支援も否定できないものの、フーシーの要求や運動は当初、宗派の違いを超えたものであった。彼らがハーディの退陣を求めるきっかけも、2014年8月の石油製品価格の大幅な引き上げで宗派対立とは無関係だった。その後、ハーディ大統領は軟禁され、翌2月にはイエメンから脱出した。湾岸諸国および欧米諸国はハーディ支持を表明している。

イエメン攻撃を支持するサウジ国民と反イラン感情

筆者が〔2015年〕5月上旬にサウジアラビアの首都リヤドを訪れると、現地では空爆を支持する声ばかりが聞かれた。唯一、「あらゆる戦争に反対だ」と語った女性は、そのような意見があまりにも少数なので、意見を表明することがはばかられると感じるそうだ。サウジアラビアは民主主義の国ではないため、体制を批判するような言論は難しい。戦時中ということもあって、ナショナリスティックな言説が産出され、流通していることが如実にうかがえた。空爆を指揮する新しい副皇太子兼国防相への期待も、市民の間できわめて高い。30歳とされる若くて経験の浅いプリンス、ムハンマド・ビン・サルマンを高く評価する理由には「決断力」や「行動力」が挙げられた。フーシー攻撃は、イランへの打撃に加えて、ムハンマド副皇太子の実績を積み、カリスマ性を高めるためのフィールドでもあったのかもしれない。

反イラン感情はかつてないほどの高まりを見せている。5月下旬、サウジアラビア政府を代表する複数の有識者を招いて行われた東京都内での勉強会では、イランの「悪事」を批判する発言が相次いだ。彼らの意見を集約すれば、イランは地域情勢の不安定化の根源ということになる”

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